2016年7月25日
現代文明と精神座談会(3) 出席者:尾崎一雄/荻野彰久/斎藤玉男/島崎敏樹/丸山薫
島崎 それでチョコリザの映画でキャンプ・ファイヤーをめぐって寮歌をどなっているところと、もうひとつ印象にあるのは、みんな征服して隊員が記念撮影です。そのなかでいちばんいい顔をしているのは桑原さんです。
荻野 いい顔ですね。
尾崎 私五、六年前、志賀先生を熱海にいらした時分におたずねしたら、桑原さんが偶然みえていてお目にかかったんです。私は三高出の、外村とか中谷の三高出の人をだいたい知ってるんです。「青空」の連中はみなそうじゃないですか。
丸山 そうですよ。
尾崎 だから桑原さんは知ってたんだけれど。
荻野 日本人ばなれしてますね。
島崎 若いやつは赤銅色……というより、ブヨブヨしてあまり見られたご面相じゃないんです。そのまんなかにしゃがんでる桑原さんひとりが銀髪でしょう。いい顔をして、世界中どこへ出しても通用する。そんなことを思っていたら、イタリー隊と遭遇してるんですね。そのイタリー隊と記念撮影やってるんですよ。向うは雪焼けして真赤、こっちは赤銅色で……そのへんがやはり蒙古族とあれとのちがいですね。