2016年7月29日
akira's view 入山映ブログ 首相居座り
菅がダメだから(誰でも知っている)これを取っ替えなければ震災復興の審議に応じない、なんていう世にも愚劣なレトリックを掲げて内閣不信任案を提出する方もする方だが、それに色目を使えば多少は良いこともあるかと舌なめずりをせぬばかりに、鰻やで集会をする代議士がいたりするから世も末というべきか。
こんなバカにつきあってはいられない、とやっと旗幟を鮮明にしたみんなの党は、遅ればせとは言いながらさすが、というべきだし、敢然として国民大多数の意見を代弁したかのごとき自民党河野太郎氏の発言にはいつものことながら快哉を叫びたい。煮え切らない谷垣氏や前世紀の遺物の様な領袖連、さらにはおよそ非理性的なセンチメンタリズムともいうべき発言に終始している石原幹事長など、この党ではとても代替政権は無理だ、と思わせられていただけに、希望の星は依然として存在しているのは心強い。あい願わくばこの波が旬日を経ずして主流にならんことを。
それにしても菅さんの二枚腰、三枚腰には改めてしたたかさを見直した思いだ。桜の散り際を愛でる国民性からは、往生際が悪いの、未練がましいのと悪評さくさくのようだが、筆者はやや意見を異にする。ご自身で政権を担当している間にどうしても成し遂げたいことがあるのならば、石にかじり付いても頑張るというのは天晴れというべきだろう。この人にして、追い込まれたらやっとおやりになりたいことがはっきりした、というのは結構なことだ。その内容たるや、国家百年の大計、という訳には行かないのがいささか残念なことだが、まあ、それは器の問題で仕方がないとするか。こうなったた粘れる限りお粘りになることをお勧めしたい。
唯一懸念するのは、土壇場になって氏の伝統的手法、つまり味方にあらざるものは敵、というシングルイシューの設問に堕して解散総選挙に打って出ることなのだが、それも原発賛成か反対かなどという不毛の選択でもない限り、思ったほどの害はないのかもしれない。漏れ伝え聞くところによれば、この人のそば近くにいると、支離滅裂ぶりや精神の不安定さに辟易なさる向きもおありのようだが、距離を置いて拝見している限り、なかなか立派な宰相ぶりである。器が小隊長なのは今更どうしようもない(4.11「将の器」)から作業服を着て現場に行きたがるのは大目に見よう。何よりも、取りあえず在任一年を超した宰相の誕生はめでたい。後二・三年続かないかな、なんてね。
2011年 06月 26日