2016年8月1日
akira's view 入山映ブログ 政局往来
中国海軍は、昨年までは公海での艦隊行動に留まっていたのが、今年は堂々と日本の排他的経済水域・つまり領海内を通行してのデモンストレーションだ。どこまで刺激すればどんな反応が返ってくるかを試す、というあの国の伝統的な行動。ほうっておいたら、関門海峡に中国潜水艦が出没しかねない。わが国の対応はといえば、中国の軍拡、冒険政策に対する態度表明は、もっぱら米国にお任せのようだ。それはともかくとして、肝心米国との安全保障関係についても、沖縄を巡って前の総理大臣がやってくれた壊滅的な信頼破壊行為の後始末が未だに出来ていない。
TPPも国内政局に隠れてさっぱり動きが見られない。東北地域の一次産業再生と結びつけて新しい産業の構図を描くほどの知恵者は現れず、かくして農水省と結びついた農協利権は温存され、位置エネルギーは健在だ。滅びへの途は易しいとは、先人の知恵を改めて評価したくなる。こと外交問題、安全保障問題については、誰がどのようなオカネをどんな機関(米国国務省、CIA等など)から受け取っているかの時限爆弾が、例のウィキリークスに埋め込まれている(と信じられている)から、政治家は言うに及ばず、学者・評論家も軒並み口をつぐまざるを得ない。(あの膨大な資料を解析解読する学者が現われないものだろうか。)
よって当たり障りのない「だからいわないことではない」式のヒョーロンが幅を利かす。あたかも国土交通省が事故を起こした鉄道各社に「怪しからん、しっかりしなさい」と訓示を垂れ、社長が厳かな顔をして始末書を監督官庁に提出するという例の儀式の再現の様な話だ。さらにさらに、懲りない人々は浜の真砂であることに古今違いはない。これほどの原発被害の後始末さえ目鼻がついていないというのに、安全だから運転再開をしたいとのたまう官僚がいるかと思えば、そのお先棒を担いだお粗末きわまりない大臣が現地に乗り込んで「説得」をなさるのだという。一頃は鳴りを潜めたかに見える官僚天国が何のことはない大手を振って復活だ。
異端児、奇人変人と目された河野太郎氏の言動がにわかに正論のように聞こえるのは、こんな時代のなせる業だろう。考えてみればそれが唯一の救いかもしれない。人事を巡るドタバタ騒ぎの中で、まともなことをおっしゃる復興担当大臣が出現したりするのだから政局も棄てたものではない。それにしても、ヒトの懐に手を突っ込むのは無礼だ、みたいにとんがらかるのではなく、我が党の人材がいかに豊富かの証明ですな、位のオトナの対応がどうして自民党には出来ないのだろう。党派の枠を超えて難局に対峙するというのなら、もともと離党したり、除名したりの騒ぎになるべきでもないだろうに。
2011年 06月 28日