2016年9月9日
akira's view 入山映ブログ NHK
このところ半年ばかり、月一度一週間ほどの入院を繰り返している。そのせいでテレビ番組にやたら詳しくなった。まとまった読書をする好機のはずなのだが、とてもその気力がないとか、例によって言い訳に事欠かないし、永竹由幸先生のようにブルックナーとマーラーの全曲を聴いたということだってできたのだが、やはり凡人とはこういうものかの嘆もこれあり。病院のテレビだからスカパーという訳にはゆかず、地上波とBSだけ(それでも最近はBSが入ってくれるので選択肢が増えた。)である。
でまず驚くべきことには、見たい番組、見ても良いかという番組がほとんど存在しない。かつて大宅壮一が一億総白痴化といったのはこのことか、いう番組のオンパレード。悪貨が良貨を駆逐する典型例が連日のように繰り返されている。時々(本当に時々)お目にかかる面白いドラマを除いては、ニュース番組を拾って見ることになるのだが、これまた、なんでこんな人が解説者、みたいな顔ぶれだったり、見飽きたお顔だったり。半竹で妙にやらせっぽい編集の臭さが気になって見ていられなかったりする。
NHKは4つも波を使っているのだが、なぜ4つも必要なのかほとんど理解出来ない。民放も顔負けのおちゃらけがあったり、散漫凡庸きわまりない番組だったり。何より解らないのは平日の朝っぱらから延々とメジャーリーグの野球を放映していることで、あれだってまさかタダで提供されている訳ではないだろう。波の数を半分にすれば、視聴料だってもう少し安くも出来ようというものだ。番組内容に視聴者の声が反映されているという触れ込みのようだが、電力会社のガバナンスと同じで、全く機能していないのは明らかだ。
つまらない番組が多いのは、おそらくかけられる制作費との相関が強いのだろうが、カネをかけても全く愚劣な番組になるのは最近のNHK大河ドラマに明らかで、要はパフォーマンスの質が視聴者の側から制作サイドにフィードバックする仕掛けがないのが致命的なのだろう。最近の政治の質の劣化を見ていると、仮にこの仕掛けがあったとしてもうまく機能するかどうか疑問に思われてくるのだが、民放がどれほどくだらなくなろうがなるまいが別に見なければ良いだけの話だからよい。だがNHKはそうはゆかない。
電力会社に輪をかけたように臭気芬々たる企業体質を持つ会社だから一筋縄ではゆかないだろうが、番組の質と量については真面目に検討を始めて良いように思う。登場するタレントの質もさることながら、メジャーリーグを延々と放送するあげく、大相撲の十両以下は放映しない、というのはどこかピントが狂っていないか。NHKならではの珠玉の様な番組も少なくないだけに、特にその思いが強い。
2011年 10月 18日