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2016年9月12日

akira's view 入山映ブログ みんなで渡れば

 PPTに反対している人たちは、いつかは日本の農業をなんとかしなくてはならない、ということが判らない人たちではない。苦い薬はできれば一日延ばしにしたいというだけのことだから心配することはない、と書いたところ、多くのお叱りを頂いた。耳ざわりの良いことだけつまみ食いして、日本の為にならないどころか、害になる様なことばかりしてきた政治のツケが今回ってきているのではないか。今度という今度はそれをなんとかする遅すぎたくらいのチャンスだ。とても心配するな、という訳にはゆかぬ。あるいは、与野党を問わず既得権益に振り回される亡者どもを浮き彫りにする絶好の機会だ。ここで日本の将来に仇なす者をはっきりさせよう。赤信号も皆で渡れば怖くない、というのを根絶やしにする良い機会だ。

 まことにごもっともで、特に確信犯のようなTPP反対原理主義の方も散見されないではないだけに、度外れて楽観的になるのは考えものかもしれない、と思ったりもしたことだった。民主主義というのは、とかく先楽後憂になりがちなのも人の知るところ。それに「みんなで渡れば」がお供についてくれば、確かに悲惨なことになりかねない。ツケはいつか払うことになるのはギリシャを見ても明らかなのだが、いつギリシャ状態になったか、なっているかはかなり曖昧だから、昨日今日のアメリカや日本を見ていれば、そんなことどこ吹く風、みたいな対応も可能になる。挙げ句の果てが、民主主義が制度として定着していないが故に発生したツイッター革命、街頭デモによる民意の発動が、民主主義が立派に制度的に確立している国々でも同様の意味を持ちうる、というお見当違いの世界同時多発アンチウォールストリート・デモが蔓延する事態になれば、なんのことはない、みんなでお手軽に赤信号無視するのが世直しだ、みたいな錯覚が世にはばかってしまうことになる。

 そういう世界の潮流を先取りされたのか、野田内閣はここに来てにわかに官僚作文による官僚世界観の世直し路線に大きく舵を切り始めたごとくである。付和雷同を含めて、みんなで渡っていれば信号の色なんぞどうでも良い、といわんばかりだ。これに警鐘を鳴らす野党が存在するかと思いの外、自民党はあのていたらく。まあ、これはすねに疵ある身では仕方ない、というおもむきもあるが、公明党は論外としても、頼りのみんなの党もさっぱり世論にアッピールするのが不得意とあっては、結局シナリオ書きも振り付けも、お馴染みの霞ヶ関ということになりかねまい。折角脱官僚を謳った民主党が、中身をはき違えて自爆した挙げ句、訳の分からないリーダーに何代か振り回されて、正当な路線に復帰できない、というのでは余りに悲しくはないか。

2011年 10月 19日



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