2016年9月19日
現代文明と精神座談会(41) 出席者:尾崎一雄/荻野彰久/斎藤玉男/島崎敏樹/丸山薫
荻野 植物が動物を食べるのがありますね。そうすると動物と植物の区別がはっきりしなくなっちゃう。
斎藤 それはそうであるべきだ。さっきのお話の、造物主が人間をどうかしたかね。
島崎 ちょっと作り間違っちゃった。
斎藤 それを補足すれば、造物主が人間をつくったのは、まあ、傑作だけれども、いちばんしまいの大事なことを残しちゃって、なんて言いますかな、知性と冷性の間みたいなものだけ、どうもつけ落したように思いますね。
尾崎 武者小路さんは、私とは逆に、神様がいて人間のやることを地球の外から見ているんですよ。「ばかなことをやっている」と。そういうのですけれども・・・・。
斎藤 ああそうか、それも一つの文学ですよ。
尾崎 武者小路さんは巨視的ですよ。こっちは蟻の立場だから、だから怒っちゃっている。武者小路さんは神様に怒らせる。
島崎 武者小路さんはずるいですよ。おそらくお年寄りだし、核戦争が始まる前に神様に召されちゃう。こっちはそういきませんからね。(笑)