2016年9月29日
現代文明と精神座談会(47) 出席者:尾崎一雄/荻野彰久/斎藤玉男/島崎敏樹/丸山薫
丸山 ある外人ですが、いま生きている、有名な人でもなんでもないのですけれども「どこの国でも若干の悪い人がいる」サムという言葉を使いましたがね。若干の悪い人がいるということは支配者だ、その国々の……。結局私は、支配者になったらいずれもそういうふうになると思うのです。なってゆくんですね。
尾崎 はじめよくても・・・・。
丸山 結局一国なり、ある一つのブロックの利益を考えてゆきますから、他の国なり、他のブロックのものと争う。いずれもそういうふうになるんじゃないですか。民衆の、私たちの権力心や野心を蹂躝してゆく。ところがそういう人たちはやはり民衆の代表者でしょう。だから民衆の持っているものがいちばん尖端のものになってゆくと、そういうふうになってゆくんじゃないですか。民衆の意識とは別だけれども……。
尾崎 芽は持っていますね、皆。都合の悪い芽でも、それをなんとか押えるという方法は考えるべきじゃないでしょうか。自分たちをどうにかしなければならないんですから。
丸山 それはそうですね。