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2016年10月7日

akira's view 入山映ブログ 司法試験

 司法試験に合格し、司法修習を終えた弁護士志望者のうち約2割(400人)が弁護士登録をしなかった。その理由は「弁護士が増え過ぎて仕事がない」ので、弁護士会や日弁連に入るのに必要な数万円から数十万円、さらには毎月数万円の会費が払えないのだという。(23.12.16朝日朝刊1面及び37面)法曹の絶対数が不足するからと、鳴り物入りで法科大学院制度を導入したのが7年前の平成16年だ。その当時は、平成22年には司法試験合格者は3千人を予定。それに対して文科省や大学はそれでは不足だ、9千人規模で考えるべきだ、と主張していたのは記憶に新しい。

 3千人はおろか、2千人弱の司法修習卒業者でこの始末だ。文科省と大学の甘い見通しに踊らされた法曹希望者は不満の持ってゆきどころもあるまい。もっとも、自分の身の振り方というのはかかって自己責任であって、よそにその責めを求めるというのは筋違いだという意見もあるだろう。だが、税金を使って振りまいた幻想や楽観的な観測に対しては、やはり行政たるものの責任を求める声が起こっても無理はない。そもそも行政の中長期展望は当たったためしの方が少なくて、そんなものを信じるやつの方がバカであるに過ぎない。という冷めた見方もあろう。それでよいのか。

 最近TPPで再び脚光を浴びるようになった日本の農政のでたらめさ。タクシーの需給を巡って、統制経済でもあるまいにいまだにいたちごっこを繰り返している台数制限。治山治水、農地開拓を巡って時代遅れになった「長期計画」を愚直に執行するお役所仕事。枚挙にいとまのないこうした愚行の数々は、本来無責任体質のお役所に、「切れば血の出る」なまなましい経済現象の舵取りをさせることの当然の帰結であるといってよい。しなくてもよい、というよりしてはいけない仕事をお役所にさせた結果、ことは単に血税の浪費であるに留まらず、被害者は死屍累々だ。それでいて誰も責任は取らない、それどころか、こうした政策につきものの関連業界団体は焼け太って、(それ自体が目的であるかと見まごうほど)天下り天国を招来しているのは周知の通りだ。

 世界に冠たるシンクタンクとしての優秀な霞ヶ関官僚群、という幻想からはそろそろ醒めて良い頃ではないか。多数を相手にして、資源を公平に、かつ清潔に配分する機構としてわが国の官僚機構は極めて優れている。(途上国は言うに及ばず、多くの先進国と比較してもわが国のそれは卓越しているといって良い。)それ自体得難いことなののだから、ここはそこに留まって頂くしかない。出来もしないこと、させてはいけないことを一つでも多く官僚の手から奪い取り、いかに民の手に委ねるか、というのが真の脱・官僚ということだ。

2011年 12月 16日



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