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2016年10月19日

akira's view 入山映ブログ 日の丸・君が代

 警察と刑務所が少し規律の上で問題がある、というのが話題になっていたが、ことは行政や立法だけではなく、司法についても少しおかしいのではないか、という判決が最高裁小法廷で出た。お馴染みの日の丸・君が代反対という日教組肝いりの先生たちの話だ。停職や減給等の「厳罰」については、相当の配慮が必要だという趣旨で、重きに過ぎる何人かについて処分取り消し、という判決だから一見もっとも至極のように聴こえる。のみならず三権分立の建前からして、行政罰が安易に拡大・加重されるのは好ましくない、という言い分もそれなりに納得させるものはある。しかし、問題はそれ以前のところにありはしないか。

 日の丸・君が代は法律で国歌・国旗と定められている。(それがどうした。悪法は法ではない、という議論には触れない。悪法かどうかを個人が決めて良い、ということになれば、その反動もあることを指摘するに留める。)そして国歌・国旗に対して応分の敬意をもって接する、というのは世界の常識だ。教育現場は言うに及ばず、およそ公共の場所においてそれに背いた行動をとれば、現在の政治体制、あるいは国家そのものに対する抗議あるいは敵意の表明と受け取られるのもこれまた常識に属する。その抗議の意思表明が思想信条に基づくもの(日の丸・君が代が軍国主義の象徴だと思い込む。これが思想信条だと仮定しての話だが。)だから配慮を加える必要がある、というのが最高裁の意見のようだ。思想信条に基づかない抗議等というものが存在するかどうか詳らかにしないが、おっしゃりたいのは単に交通規則に抵触した、怠惰で職務をさぼった、というのとは違う、ということでもあろうか。

 法益の比較較量で言うならば、児童の眼の前で国歌・国旗に敬意等払わなくて良い、自ら正しいと思えば法律などは破っても良い、という実例を見せることの害よりも、教員個々人が政治的信条に忠実であることを保護する法益の方が大きいということになろうか。今回の原告団の行動がどれほど日教組の活動であるのかないのかについては明らかでないから論及しない。経済的不利益に対して日教組が直接補償、あるいは義援活動などによって救済するかどうかも不明だ。しかし、原告は二年に三回しか処分歴がなかろうが、一回に留まっていようが、自らの行動について確信犯と言える信念(信条?)をお持ちの方々であるのはほぼ疑いのないところだ。であるとすれば、処分が重きに過ぎる、というのはタテマエの議論であって、心は教育委員会の処分そのものに対する異議申し立てである、と理解すべきだろう。

 浮世離れして教育現場をご存じない裁判官のご判断かと思いきや、娑婆の様子を良くご存知の筈の弁護士、お役人出身の判事の方がより強硬なご意見をお持ちなのにも驚いた。行政罰がやたら加重の方向に一人歩きするのは好ましいことではない。しかし、公務員の遵法精神が真正面から否定されるのももっと好ましくない事態ではなかろうか。

2012年 01月 19日



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