2016年10月21日
私の戦争体験 戦争を憎み平和を守ろう(8)本多勇夫
〈日中戦争の真実〉
ところで、戦争が終わって間もなく東京で、日本の軍部に対する、戦争責任者の裁判が始まりました。戦犯裁判ですね。
その結果、私には想像もしなかったショックな事実が判明しました。先程、話しました昭和12年に始まった中国との戦争は、中国が仕掛けた戦争でしたね。しかし、事実は、中国大陸を侵略するために、日本軍が仕掛けた戦争だったんです。盧溝橋事件をきっかけにして、日本は中国全土へ軍隊を送ったのですね。臨時に招集された日本軍は、上海に上陸し、さらに南京に向かって大進軍を続けました。
そしてその軍隊は「進軍を続け戻るな、お前達に送る食糧は無い、行く先々で調達せよ」という命令を受けて進軍していったんです。兵隊達は行く先々で、掠奪、強姦、放火、殺人を繰り返して進んで行きました。日本は中国との戦争は、身内のいざこざだからといって、宣戦布告せずに事変と呼んで、国際的な避難を避けようとしました。そして国民や軍隊には「暴支膺懲」といって、「支那入は無知で乱暴で、どうしようもない人間だ、だから懲らしめるのだ」と宣伝したんです。
こんな、とんでもない理由で始めた戦争ですから、中国人を容赦なく殺して行くんですね。
また、掠奪し強姦した後、全て殺し放火して焼いてしまって、国際的な避難のもとになる、証拠や証人を残さないようにして、進んでいったんですね。