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2016年11月25日

追悼文 私たちの未来のために、知らなくてはならない忘れてならない 桜丘高等学校 生徒会会長 伊藤洋明

 今年は豊川海軍工廠への大空襲から50年、そして被爆50年、アジア、太平洋戦争終結50年の節目の年です。
 桜丘学園70年の歴史の中で、戦渦のなかの20年のできごとは、けっして忘れてはならないことです。時の流れとともに、人々の記憶から消えつつあるからこそ、平和な未来のために忘れてはならないのです。
 1945年8月7日火曜日、午前10時14分から39分までのたった26分間の米軍による豊川海軍工廠への大空襲により2544人の尊い命が犠牲になりました。死者のなかには動員学徒452人、国民児童約50人が含まれていたということです。桜丘高校の前身である「豊橋桜ケ丘高等女学校 」からも120名の生徒が動員されていました。そして生徒37名と教師一名の命が奪われました。38名の38通りの人生がその時消えたのです。
 私たちと同じように、未来のある若い命が戦争の犠牲となったのです。もっとやりたいことや、勉強したいことや、夢があったはずです。
 なぜ、このような悲惨なことが起こったのか、なぜ、戦争は防げなかったのとか、私たちは、もっと歴史を学ばなくてはならないのです。もう一度、あの戦争は何だったのかということを真剣に考えなくてはならないのです。
 戦争が起これば、必ずといってよいほど残虐行為がおこなわれ、多くの人がその犠牲となります。戦争は無差別に生命を生活を文化を歴史を自然を破壊しつくします。
 だから、戦争から学ぶべきことは二度と同じ過ちを繰り返さないということだと思います。戦後五十周年の今年、あの戦争の歴史的事実をきちんと受けとめ未来に向けて、平和への決意を高らかに示すことができるかどうかが問われていると思います。日本の侵略戦争で二千万人のアジア諸国の人々が犠牲となったこと、アメリカによるヒロシマ、ナガサキへの人類初の原爆投下で、三十万人以上が死亡し、いまもなお多くの人々が苦しんでいること、十五年戦争のなかの南京大虐殺、七三一部隊、沖縄戦のことなど… 私たちは、知らなくてはならないのです。知らないのはいけないことです。戦争を知らない私たちは責任はないかもしれないが、関係ないことではないからです。
 桜丘高校は五年前から全国の学校では初めてヒロシマ「原爆の火」を保存し平和のシンボルとして灯しつづけています。私たちの平和への決意を表わすものです。いま、私たちは「平和」の中で生きています。この「平和」の代償に消えた多くの生命の貴重さの意味を知り、時代という波に流され、戦争という嵐に巻き込まれて、平和を願いながら死んでいった人々の声を忘れず、戦争を憎み、一切の核兵器とあらゆる戦争をなくすために、これからも行動していくことを誓い、追悼の言葉とします。



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