2016年12月14日
鑑賞権の設定(5) 斎藤玉男
とにかくかかる独得の持ち味のある景観が揃った国土に棲むお互いは、心ゆくまでそれを鑑賞する生れながらの素質があり、逆に開き直って言えば無鑑賞のままに過ごすことは折角の国土に対する義務を満たさないことにもなる。これから更に敷エンして言えば、国土鑑賞を碍げるような簡条はこれを排除することが至当であると言える。それでコトバは自然角張って来るが「鑑賞権」と言ったものが設けられて然るべきだと言う筋道となるど思う。全くのところ生存権、土地所有権、建物占有権、通行権等々々と続いた末尾に、是非一枚文化鑑賞権を加えたく思うのは筆・者だけであろうか。これが設定されれば筆者なども進んで鑑賞権擁護運動にプラカードを担ぐ役を買って出たく思う次第である。