2016年12月28日
続鶯系図(1) 板倉靹音
よき古き明治のころの話である。
寺町で鶯の会があった。鶯は他の鳥の鳴き声をきらうので、寺を借りて一つの寺に一羽ずつおき、聞く者は寺々を回って鑑賞して歩くのである。そのうちに一軒の寺のまえに人がだんだん集って来て誰ひとりその場を去る者がない。これはまさに名鳥であった。いったい持主は誰なのか、どういう素性の鳥なのか、このような鳥が名古屋や近在にいようとは誰も夢にも思わなかったのである。
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2016年12月28日
よき古き明治のころの話である。
寺町で鶯の会があった。鶯は他の鳥の鳴き声をきらうので、寺を借りて一つの寺に一羽ずつおき、聞く者は寺々を回って鑑賞して歩くのである。そのうちに一軒の寺のまえに人がだんだん集って来て誰ひとりその場を去る者がない。これはまさに名鳥であった。いったい持主は誰なのか、どういう素性の鳥なのか、このような鳥が名古屋や近在にいようとは誰も夢にも思わなかったのである。