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2017年2月1日

随筆二題(3) 斎藤玉男

 うたのない存在

 それにつれてこの種の感覚を伝達の経路に載せる詩人のコトバは、形は通用語と同じである場合でも、先方がそれに担わせ様と意図する奥行きの深さや象徴味の濃やかさは法外に深遠であり、その意味で詩人はいつも一般人の心情の粗雑さに今更乍らモドカシさを覚え続けることでもあろうと同情される。もちろんこのモドカシさを惹き起こしたものは一般人の感性の鈍さにあるので、詩人の側で劇の情感伝達の方途を工夫したりするべき筋合のものではないにしても、詩人である以上この人達は、自己の作品がいつの代にも正当な一般の理解を得るのには遠いとの嘆きを抱き続ける宿命の下にあることと、窃かに同情に堪えない。然し、これも素人としての上辷りの同情以上に一歩も立ち入れないことを、筆者がよく心得ての上のことであることは申すまでもない。
 それにつけても萩原朔太郎が対話中口癖のように「これは。プロゼイックな発想だネ」と言い言いしたことを今にして思い起す。彼にしてみれば、その頃の流通文の膚理(キメ)の粗(アラ)さに閉口したのであろうことが、今にして身にしみて思い返される。そして彼が酒に遁れた
心境もおぼろげながら判るようにも受取れるのである。



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