2017年2月21日
食もの(4) 中川一政
それは兎も角、食べるのはブラジル人だけかと思ったが、パリ人もよく食べる。違うのは、実に楽しみながら食べることである。私は酒を呑まないから料理を語る資格はない。何の料理には何の酒がよい等という配慮は知らない。しかし、うまい、まずいということはある。
私は外国へ行きたいが、食物のことを思うと気が重い。そこで同年輩の頭取に経験を聞いてみた。そうしたら「何でも少し食べていればよい」と答えた。
年輩が同じということは矢張り同じ事を考えているものだ。
私も胃を疲れさすからいけないのだと思う。日本でも若いものはよく食べる。自分の若い頃の事は忘れて、そう思うのだけれど。胃も亦、若くはつらつとしているのだ。
私は此頃、宴会へあまり出たがらない。それは食べることが過剰になる。
栄養とかカロリーとか私は考えない。私はあまり食べなくなってから、かえって元気である。自分のコンディションがわかって来たのだろう。
ボクシングの選手もそう云う事を云う。