2017年4月6日
現代文明と精神座談会(24) 出席者:尾崎一雄/荻野彰久/斎藤玉男/島崎敏樹/丸山薫
斎藤 ボッシュナーという人はどういうことだったんですか、いまでもわからないんですかね。たれの系統ということはないんですかね。非常な、怪奇な形ですけれども……。
島崎 バロックの絵でしたか、大きなのを見たんですが、ほんの一部分切り取ってみても、バロックです。ボッシュの「逸楽の園」というのがありますが、あれのどの一部分取ってみてもボッシュですね。あれはユニークな、自分の中から描いたという芸術家だと思いますね。
丸山 結局、生地が違うんですね。つまりどこをとってもいいということは、皮膚が違っているんですね。しかし、普通そういうのを天才と言っているんでしょう。
荻野 はじめから生地が違うというのは。
尾崎 室生さんの絶筆というのを、私のやっている「風報」にもらったんです。私はそんな悪いと知らなかったので原稿依頼状を出した。「詩でも、随筆でもけっこうです」と言ったら……。
丸山 あの「四角い卵」ですか。