2017年5月10日
現代文明と精神座談会(44) 出席者:尾崎一雄/荻野彰久/斎藤玉男/島崎敏樹/丸山薫
尾崎 アメリカ人だけが原爆で人を殺したわけですね。ですから、これで原爆やめちゃって、あれがなくなると仮定すれば、世界中でアメリカ人だけが原爆で人を殺したと、人類の記録に残っちゃうわけですからね。これも気持悪いでしょうね。
島崎 ねざめ悪いでしょうね。子孫が生き残っていますしね。
尾崎 不思議なのは、キリスト教徒だけがああいうものをつくってやっているんです。
丸山 赤松俊子が原爆の絵を描いて、御覧になったですか、相当残酷な・・・・。あの会場にアメリカの将校たちが五、六人入って来て見たが、入りかけて出て行ったですね、すぐ。やっぱり日本人の小学生なんかたくさん見ていますから、そのなかに交って会場を見るに堪えなかったんでしょう。
荻野 話題が少し違いますけれども、いまどうなんでしょうか。尾崎先生、島崎先生、斎藤先生、丸山先生。現代文明は前向きなんでしょうか、後向きなんでしょうか。われわれはなんとか前向きのような気もしますし、見方によっては、まだ遠く、後向きのような気がしますが・・・・。