2017年6月12日
脊椎動物の進化(11) 徳力幹彦
さらに、この考え方の延長線上では、地上の生存競争に敗れ、樹木上に追いやられた霊長目が、これまでの主として2次元の世界の移動ではなく、3次元の世界の移動に追いやられた結果、恐ろしく複雑な神経制御を必要として、大脳と小脳がさらに一段と発達したと考えることができます。この樹上の生存競争から追い出されて2次元の世界に戻ってきた人類の祖先は、恐竜の2足歩行とは異なる、直立2足歩行という難しい歩法に挑戦したので、大脳と小脳が大きくなったと考えられます。ここまでは、歩行の進化と大脳・小脳の進化を結びつけて考えることができます。