2017年7月24日
途 上(トジャウ)(4) 小堀杏奴
かうして置くといざ消毒と言ふ時纒めてサツと一どきに出来るのである。何事も後始末を完全に、時を置かずにする事が大切で、面倒のやうでもお茶を飲んだら直ぐ茶殻を捨て、土瓶を綺麗に洗つて、カラになつたやかんは水を満たしておくと言ふ要領で、次にお茶が飲みたくなつた時、直ぐおいしいお茶がいれられるやうにする訳だ。掃除は出来なくても、皆がお茶を飲みに集つたとしたら、その後のちやぶ台を拭き、曲がつた座蒲団は真直に直し、煙草を飲む人がゐるとしたら灰皿を綺麗にしておくと言ふ調子にすると、何時も室内が居心地よくきちんと片付いてゐる事になる。