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2017年8月21日

ルニフルールが曳くきずな(1) 斎藤玉男

 人類の五官の中で視覚の世界では、繊美な美術の集積や圧倒的な建築の系統が歴史を支配し、聴覚の世界では崇高なまた甘美な音楽の大系列が、無何有の境地まで吾等の想像を冲らせずにはおかぬ。その中にあって独り嗅覚だけは、鋭敏さにおいて動物の或る種に遥かに及ばないことが目立つ。これは触覚味覚に較べても著しく鈍感である。それは手近いところ猟犬の嗅覚と較べても昆虫の触覚と較べても明らかなところである。
 併し人間のもつ嗅覚でもごく特殊な人でごく限られた面では法外に鋭敏に働く場合が見られる。どこに取り上げるルニフルール、仮に訳して「尿香好き」はその一例と言えよう。大体フランスの学者が先ずこのことに注意したらしく、今にフランス語のままで通用して居るが、こうした傾向を示す程々の「尿香人」はどこの民族にもかなり普遍に見られるらしい。更に立ち入って言えばこの「尿香」は、民族ごとに特有である民族体臭と一脈の連絡があるのではないかと憶測される節がないでもない。



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