2017年8月22日
ルニフルールが曳くきずな(2) 斎藤玉男
体臭と言えば自然に汗の香いを連想させる。汗についての巨細のことは名古屋に久野老博士が居られるが、汗の成分には微量ながら尿の成分又はその近縁成分が常住含まれて居ると思われるのでおしなべての「尿香人」は、自からそれと意識するしないによらず「汗の香」に牽引される心理的の面を担うものと考えて多く誤らないであろう。
茲に断っておきたいことは、かようにしてほのかな汗の香や体臭に惹かれ、又は軽くこれに反揆しつつ結局は惹かれる「尿香人」候補者は、普通考えられるより多数に上るであろうが、これ等はなお生理人であって勿論病的の烙印を押されるべきではないが、一歩「尿香好き」の部類となると、これは当然扱いを別にせねばならない。