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2017年8月23日

ルニフルールが曳くきずな(3) 斎藤玉男

 この場合「好き」がそもそもの曲(クセ)者である。と言うことはこれ等は既に多かれ少なかれ謂うところの「ゆもじぬす人」の下た地を担った人々であるからである。この一群にとっては譬えばズロースと言うコトバその者が既に強い誘惑となって人知れぬ衝動をゆり動かす、まして蔭乾しされたズロースとなれば、ゾクゾクと堪え難い行動意欲をそそり立てずには措かぬ。然るに一面には撮たる人間社会の制約があることが、同時にと言うか対立的にと言うかその人の意識の前面に立ち塞がる。つまりその意識の中では「到底この衝動には勝てない」と言う自覚と、「社会制約の圧力は恐ろしい」と反省する自覚と、二つの相容れない自覚が機に触れ折に触れていつも相剋し取ッ組み合って暮らす存在である訳である。かかる絶えざる自剋自虐の存在のあり方の痛ましさは、精神分析の煩わしい手数を借りずとも、何人にも充分思いやられるところであろう。



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