2017年9月4日
首を回らせば(2) 斎藤玉男
叔父とその甥である私との間には、叔父の亡い今となって見ますと、一族の誰との間よりも、性向や性癖の面で似通った点が特にあったと気付きます。
似通った第一の点と申せば、両人とも一族の男子の中ではとび抜けて長命であること。これは体型がどちらかと言えば共に軽い筋骨型であって、脂肪型でないケ条にもよるでしょうが、それよりも両人の気質が恬淡と言うか余り物欲にこだわらずに生きて来た点にあるかと窃かに考えて居ります。それで両人とも所謂出世街道には初めから縁が薄かったのは当然でもありましょう。
第二の点は両人とも小学時代から記憶には強いが、数学には全然お手上げだったことです。但しその埋め合せとも言えましょうか、外国語の面ではいつもやや得意であったと申せます。