2017年9月26日
日本の女のはだか(1) 高橋義孝
ある会社から貰ったカレンダーがある。上下に頁を開くと、開いた上の頁から下の頁にかけて、日本の著名美術品の原色写真が印刷されている。しかし、下段の頁はその月々のカレンダーになっているので、原色写真は上段の頁だけで、その美術品の下段に跨る下半分は薄い単色写真である。
その七月の分には重要文化財の藤原時代の木造十一面観音像が上下二頁に亘って印刷されていて、この観音像の下半身は下段の頁に薄色で写されている。奈良勝林寺の蔵だという。
このカレンダーは、私の仕事部屋の、いつも坐っている場所からほぼ一間ばかりのところに懸けてある。