2017年10月5日
ポルト観光(4)プロローグ 影山喜一
もう1つポルトガルに魅力を感じるのは、西ヨーロッパに珍しい都市化率の低さである。イギリス89%、アメリカ81%、ドイツ73%、わが国66%と比べて、ポルトガルの53%という低い数字にはちょっと首を傾けないでいられない。中国が47%でベトナムは34%と報告されている。この分野に関しては、統計の取り方で国によるバラツキが多いけれども、高さを競う風潮に照らしてある程度の信頼は置ける。
中世ドイツの格言「都市の空気は、自由にする」以来、都市の発展は経済面のみならず文化・思想面でも望ましいとされてきた。その結果、すべての国が他を凌ぐ都市化率の向上に励む。わが国においても戦後何度となく、市町村の合併が自明の理として多くの自治体によって推進された。直近の平成の大合併に便乗する(私の住む)浜松市ときたら、12市町村を巻き込んだ挙句、各所で行政サービスの希薄化を露呈している。