2017年10月5日
カイロ雑記(2) 北川冬彦
朝日新聞社カイロ支局の瀬戸口氏のお世話で、ピラミッド、スフィンクス、エジプト古代博物館などの見物をした。
ぼくは、ピラミッドやスフィンクスは、カイロからずっと遠くにあるとばかり考えていたところが、意外にも近くにあるのであっけない想いがした。
ピラミッドはケオプス、ケフラン、ミセリヌスの三つ、これにスフィンクス、いずれも何だかおもちゃのようで、一等大きいケオプスは、フィレンツエやミラノのカテドラル、ローマのサン・ピエール、ロンドンのウエストミンスター、それにセント・ポールの諸カテドラルを、一緒にしてとっぷり包含するといわれているが、そんな巨大さはまるで感じられない。それは、これらのピラミッドが広漠とした砂漠のなかに在るからなのであろう。スフィンクスも泥人形みたいで幻滅だった。トン・エ・リュミエールによる夜景がすばらしいそうだが、そんな演出による誤魔化しを見たって仕様がないと見なかった。