2017年10月16日
ポルト観光(9)第1章 聖地に別れを告げて §1 遠ざかる旧市街 影山喜一
サンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街
修復中のため下の部分が巨大なネットで覆われ、ポルタ・サンタ(聖なる門)は隠れて見えない。もう1度訪れて垣間見る機会があるだろうか。知らないうちに感傷的になる。大聖堂を回り込んでオブラドイロ広場にぶつかる。振り返ると正面階段の先のポリティコ・デ・ラ・グロリア(栄光の門)も、立ち入りを拒んでいる。その先にある雑多な店々も、すっかり扉を閉めて眠り込む。
旧市街のカフェ/バルで朝食をとりたいが、期待すればするほど1軒も姿を現わさない。今日は火曜日で地元の人びとが仕事に出掛けるはずだから、朝食を自宅でとらないためヨーロッパのカフェは開いている。それも遠い昔(日本でいえば昭和)の話であって、現在は皆自宅でとるか節約で昼まで我慢するのか。なんとも取り留めもない妄想ばかりが頭の中を駆け巡る。