2017年10月25日
ポルト観光(16)第1章 聖地に別れを告げて §2 アルサ(国際高速バス)に乗る 影山喜一
ALSAのポルト行バス
馬鹿々々しい昔話に浸っていたら、罰当たりというかトラブルが起こる。珍しく列の乱れに伴って順番がチグハグとなる。それでも押し合い圧し合い進んだが、私の番で太った黒人女性とバッチリかち合う。大人げなく肘に力を入れたら女性が物凄い形相で怒り狂う。私が横入りしたというのである。どちらが先でも後でもない。普通であればそれこそあうんの呼吸で、いくらかの悶着を間に折り込みつつ流れる。
しかし、こちらが譲ろうが何しようが彼女の罵倒は止まらない。罵詈雑言の十字砲火を浴びる数分はやりきれなかった。すっかり乗車の流れがストップする。結局、私は7~8名立ちん坊を強いられる。運転手が差し出すチケットを受け取らないのである。恐らく彼の腹の内は、私に対してペナルティーを科すつもりなのであろう。欧米系の女性のとりなしで彼は渋々ながら許してくれた。