2017年10月27日
字引のこと(3) 木山捷平
の二つの字引は随分新時代を取入れている。ことに国語辞典の方が取入れている。辞林はもう手もとにないからはっきりしたことが云えないが、「いいぐさ」というのは「言種」となっていた筈だ。広辞苑でも「言種」となっている。国語辞典をみると「言い草」となっている。
「撹乱」という熟語も以前の字引にはコウランでひかなければ出てこなかった筈だ。が、いまは広辞苑、国語辞典ともカクランでひけばちやんと出てくる。ベンリになったものである。
私の机辺にはもう一冊、簡野道明の字源がころがっている。これは文字どおりころがっているという表現がただしい。表紙がちぎれてしまって、索引もない。索引のない漢和辞典をひくのは骨が折れるから、めったに使用することもない。