2017年11月1日
ポルト観光(21)第2章 なぜポルトを訪ねるのか §1 明るくスマートな地下鉄 影山喜一
地下鉄アンダンテ・カード
相当の遅れを覚悟していたが、ほぼ予定時刻の到着で驚いた。嬉しい誤算ではある。そこで、生来の意地悪い性格が善からぬ方向に動き出す。スペインとポルトガルには1時間の時差があった。腕の時計はマドリッドで入国以降、ずっと手を付けず身に着けたままだったので、もちろんチケットに印刷された時刻を指す。だが、ターミナルの壁時計はどうであろうか。
果してきちんと時差を計算した時刻になっているか。壁を目で追うものの殺風景でなにもない。意地悪な詮索より困ったのは、トイレが見当たらないことである。タクシーの運転手に訊くと教えてくれたが、鍵がかかっていて局外者は使えなかった。管理オフィスのスタッフに頼むとなんの条件も付けず鍵が渡された。窮地は一応、脱したけれど、トイレは公共施設でないのか。これも、文化の差の結果であろうか。