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2017年11月8日

ある絵とその作者(2) 斎藤玉男

 こうした出生環境、こうした12人(!)の同胞と頒ち合ったドン底の生活は一つとして彼の精神発達を歪めずにはおかなかった上に、更に歪みを強調し潤色するようにそれと纏れ合う2回の感化院入り、4回の精神病院収容、4回の反社会的行動tその半面に社会の側からの不祥な干渉でもある2回の軍役召集と1回の被動的同性愛強要……
 但しここで環境事情の過重評価に眩惑され了っただけでは事柄の実態に迫ることにはなるまい。彼個人の特異事情としては、先づ心霊術的耽溺の傾向(26才から32才に至る占星術師生活と電磁気治療所の経営)と、これと聊か方面違いではあるが貧民救済活動(41、2才)が挙げられてよいであろう。
 彼が初めて画刷毛を手にしたのは37、8才精神病院入院中のことで、手ほどき役は画心の多少ある同室の入院者であった。即ち判然と晩学、独修、自成の画歴であり、作品は49才頃には百点に近くなった。



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