2017年11月10日
ポルト観光(27)第2章 なぜポルトを訪ねるのか §1 明るくスマートな地下鉄 影山喜一
地下鉄アンダンテ・カード
地下鉄という古いイメージから長いトンネルをゴーゴー走り、薄暗い電灯の下で汗臭い乗客と数十分間ぶつかり合うと思った。リスボンの路面電車の記憶が強かったのである。しかし、ポルトの地下鉄は全然違った。扉と窓のガラスは大きく、照明も眩しいくらい明るい。なによりも地下鉄と名乗りながら地面の下に潜るのは、乗り降りするホームとその前後の短区間に限られる。長閑な多摩地区の外れで東京の中央線の最新車両を格好良く走らせたような雰囲気である。しばらくのんびりと夢見心地で揺れていたかったが、あっけなくたった3駅ですぐトリンダーデに着いてしまった。途中はかなり宅地化が進み、マンションやアパートが建つ。個人の住宅はほとんどなさそうである。景気が悪くないのか、建築中のものも目立つ。