2017年11月14日
教会と私の音楽(2) 大中恩
現在、他人にはなすと、全く信じられないといった顔をされ、笑いの種にされるのだが、中学生の頃私は音楽家になろうか、伝道者になろうか・・・・と真剣に悩んだことがあった。今思うと、伝道者になりたい、というよりは、ならなければならないような使命感、さらには強迫感でさえあったかもしれないのだが、幸か不幸か此のみちに入ってしまった。といっても私は、音楽家である親爺から、そのあとを嗣ぐべくそれらの技術をたたきこまれたわけではない。親爺自身が親の意にそむいて音楽家になった前科をもっているせいか、息子なんていうものは親の意志にはそむくものと決めこんでいたらしい。親爺のこの気持がまた一時代の私には苦しくもあったが、とにかく私は強迫されなかったほうの道をあゆんだ結果になってしまった。