2017年11月17日
教会と私の音楽(5) 大中恩
日曜学校が終る時、いつも此の二行の横文字の歌をうたう。勿論その意味も、個々の単語さえ知らないのだ。要するにこれを歌うと日曜学校からさよならをするのだ。阪田氏の家に、ちょっと耳のとおい河内のほうから来たばあやさんがいた。此のばあやさんがその歌をききおぼえて、みょうなふしまわしで歌ったものだ。「びいおおれす かんだんつるう」はそのばあやさんの作かもしれない。
此の曲を演奏をするに当っておかしなことになった。原語とはおよそ縁遠くおかしく歌いたい「びいおおれす……」のほうが却って本ものの英語にきこえ、「Be honest king and true」の横文字をみて歌おうとすると、一向にそれらしくきこえないというわけだ。喜劇どころか全く悲劇であった。
「牧師さんの女の子」
牧師さんの女の子は
フリョウだと みんながいった
フリョウはフリョウでも
フリョウがちがう
冬のまちで
牧師さんの女の子にあった
女の子は 僕をにらんだ
僕は ほんとに つらかった
その晩 僕は かぜひいた