2017年11月17日
ポルト観光(32)第2章 なぜポルトを訪ねるのか §2 ポルトの魅力と日葡関係 影山喜一
また、訪欧の先陣を切った天正遣欧少年使節は、リスボン・シントラ・エボラなどのポルトガルの諸都市でローマに向かう第一歩を踏み出した。自らヨーロッパ文化の伝道師となるとともに4名の少年たちは、最新の活版印刷の機器や種々の西洋楽器や精密な海図を祖国に持ち帰った。両国の間で繰り広げられた影響関係は、ポルトガル⇒日本という一方的な流れに留まらない。逆の例もいくつかある。ポルトガル語のBiomboやCatanaは、日本語の屏風や刀をルーツとするようである。訪日したポルトガル人と迎える日本人の風俗を描いた南蛮屏風は、マルコポーロの東方見聞録に勝るとも劣らない衝撃でヨーロッパ世界を席巻した。その実物がポルトのソアレス・ドス・レイス国立美術館で閲覧できるらしい。なんとしても直接目にしたい。