2017年11月20日
教会と私の音楽(6) 大中恩
不思議に牧師さんの御家庭にはお嬢さんがいる。めだたないひともいるが、いわば教会の花形でもある。「あいつはフリョウだぜ」と教会にきてない連中がいう。私は本気になって彼女のために弁明するがだめだ。却って私自身が彼女をフリョウだといった張本人のように彼女に誤解されてしまう。こんなつらいことはない。やっぱり私は牧師さんのとこの女の子をちょっぴり好きだったのかもしれない。
「牧師さんの女の子」そして「ああめん・そうめん」など決してふざけたものではないのだが、此れらの歌を練習するのに、いちど都合で教会を借りてやったときはさすがにいささか気がねしいしい歌った。夏のあついさかり、窓をあけて歌っていたが「牧師さんの女の子は不良だ」と歌った途端、通りがかりの声が「そうだっ」と相の手を入れたのである。隣りの部屋にはその教会の牧師さんのお嬢さんもいた。ボクはホントにツラかった。