2017年12月5日
ポルト観光(43)第3章 滞在初日 §1 昼食とホテル探し 影山喜一
イワシ料理 カルド・ベェルデ
チェックインの手続きをのんびりしていると、カウンターの裏で笑い声とどよめきが上がった。木戸で仕切られた向こうにバルが存在するようである。客の熱気で恐ろしく湧いている様子が隙間から漏れてくる。一体全体、どこから入るのであろうか。まさかカウンターを跨ぐわけにはいくまい。宿泊客以外も遠慮なく参加できるよう外に入口が設けられているのか。平日の午後ともあろうに日本では想像しえない長閑な光景である。正面の階段を昇った2階の食堂で朝食が出されるらしい。3階・4階の客室へは重い荷物がある人のため、カウンターの横壁の後ろのエレベーターで行く。築数十年は間違いない古びた建物であるが、隅々まで手抜きなしで掃除が行き届いている。廊下の中央に敷かれた絨毯がキャリーバゲッジャー泣かせかもしれない。