2017年12月14日
佐野靖之 隠れぜんそく はじめにー2
知らぬ間に身体を蝕み、気づいた後も不安だらけの生活を強いられる「隠れぜんそく」――いち早く罹患に気づき、発作に悩まされないためにはどうすればいいのでしょうか。
私は気管支ぜんそくとアレルギー疾患を専門とし、45年以上にわたって延べ10万人の患者を治療してきました。その経験から、たとえ隠れぜんそくになってしまったとしても、一生発作知らずで暮らすことができると断言できます。また、ぜんそくの症状は咳、痰、呼吸困難、胸部違和感、胸痛、背中の痛みなど実にさまざまで、診断が正確になされないことや治療が上手にされないこともあります。
通常、医者にかかって飲み薬や吸入薬を処方されても、一時的に発作が抑えられるだけで、発作が起こらなくなるわけではありません。しかし専門医のサポートのもとで吸入薬の効果的な吸い方を知り、同時に生活環境を細かく見直していけば、やがて発作を防ぐことができるようになります。そしてなにより重要なのは、こうした治療法を一日でも早く取り入れることです。
本書では、大人のぜんそくの実態、隠れぜんそくを見抜くポイント、QOL(QUALITY OF LIFE=生活の質)を向上させる最新の治療法について解説していきます。
本書が隠れぜんそく患者を一人でも多く救う一助になれば、著者としてこれに勝る喜びはありません。