2017年12月22日
肺気腫、息切れ症候群、逆流性食道炎……合併症で死に至る「ぜんそく」の恐怖-05 佐野靖之 「隠れぜんそく」-01章 発売元 株式会社 幻冬舎より
本来きちんとコントロールできる病が悪化してしまう現状
一度かかったら完治はまず見込めないのが、ぜんそくという病です。しかし一方で、きちんとコントロールでき、症状をずっと抑えておくことができる病気でもあります。ぜんそくを患っていても、適切な治療を受け、自己管理ができていれば、健康な人となんら変わりない生活を送ることは十分可能です。にもかかわらず、ぜんそくを放置し、自ら重症化を招いている人が実に多いというのが、昨今の実情です。
先ほど述べたように、成人の場合、社会との関わりが強くなる中、仕事や家庭の事情などによって、思うように治療できないときもあるでしょう。次の章で詳しく述べていきますが、「自分がぜんそくだと気づいていない」、あるいは「自分がぜんそくだと認めたくない」ために治療すら受けていない人が大勢いるというのも、私の実感です。
ぜんそくは、決して甘く考えてはいけない病気です。