2017年12月25日
肺気腫、息切れ症候群、逆流性食道炎……合併症で死に至る「ぜんそく」の恐怖-06 佐野靖之 「隠れぜんそく」-01章 発売元 株式会社 幻冬舎より
本来きちんとコントロールできる病が悪化してしまう現状
発作が起きているときは非常に苦しく、つらいぜんそく。そのため、発作が起こったときに病院を訪れて来る人はたくさんいます。ところが、ぜんそくという病気は、発作が起こっていないときには元気そのもので、健康な状態とまったく変わらず、仕事も家事も運動もなんら支障なくこなせます。そのため、「発作が治まったからもう大丈夫」「発作が出ていないから治った」などと自分の都合のいいように考え、病院に行くのをやめてしまったり、薬の服用を勝手に減らしてしまう人が多数います。
ですが、これこそが大きな誤りです。
何度も述べているように、ぜんそくは自然によくなる病気ではありません。それどころか治療をせずに放置していると気づかないうちにその炎症がどんどん進み、気道はより過敏に、より狭くなり、発作の頻度や深刻度がますます高まっていってしまいます。
そして、ぜんそくの発作は、突然やってくるのです。
軽い発作ですんだから、大したことがなかったからとぜんそくを放置していたせいで、次に起こる発作が深刻な症状へと発展してしまうケースは少なくはありません。