2017年12月28日
肺気腫、息切れ症候群、逆流性食道炎……合併症で死に至る「ぜんそく」の恐怖-09 佐野靖之 「隠れぜんそく」-01章 発売元 株式会社 幻冬舎より
ぜんそくで亡くなる患者の共通点をあげるなら「真面目に治療していなかった」ということが言えるでしょう。通院を怠っていたために、または症状が軽いからと薬を正しく用いていなかったために、つまり、吸入ステロイド剤の治療をおろそかにしたせいで大きな発作が起こり、死に至るケースが目立っています。
そのほか、風邪などの感染症にかかったときや、過労やストレスなどの誘因がある場合にも大きな発作の可能性が高まります。また、まれにですが、掃除機のフィルターを掃除しようとしてフタを勢いよく開けてしまい、飛び散ったハウスダストを思い切り吸い込んだとか、布団の上で勢いよく飛び跳ねたせいで舞い上がってきたダニの死骸を勢いよく吸い込んでしまったなど、1度に大量のアレルゲンにさらされることで、軽症だった人が大発作を起こして亡くなる事例も報告されています。
「ぜんそくで死ぬこともある」というフレーズを、はっきりと覚えておいてください。
そして、ぜんそく死の危険を防ぐためには、「適切な治療」が不可欠であることを、しっかりと頭に入れておきましょう。