2018年1月5日
ポルト観光(61)第4章 滞在2日目 §1 レロ・イ・イルマン書店とクレリゴス教会 影山喜一
本屋のチケット売り場
ポルトガルの地でブラジルをはじめとする中南米の音楽に出会うならともかく、北の合衆国の大衆音楽、それも50‘sの草創期のロックンロールを耳にし、現金と嘲笑われても仕方ないが、ポルトに対する私のイメージは決定的に変わった。シエナの塔の上から眺めた赤煉瓦の屋根の連なる似て非なる風景(すなわちポルトの不揃いでバランスの悪い街並みと比べてシエナのそれはとても優雅で整っていた)を追憶し、ポルトとシエナの比較をそのままポルトガルとイタリアの優劣に直結させた。その短絡的なイメージづくり作業があっさり覆されてしまった。ポルトを代表するクレゴリス教会の真正面の路上で歌われるロックンロールが、ポルトガル(文化あるいは市民)の懐の深さを余すところなく私に示してくれたからである。いよいよ今後の見聞が面白くなってきた。