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2018年1月10日

肺気腫、息切れ症候群、逆流性食道炎……合併症で死に至る「ぜんそく」の恐怖-13 佐野靖之 「隠れぜんそく」-01章 発売元 株式会社 幻冬舎より

 私のところにも、何度も治療を勝手に中断して、しばらくしてから「苦しい」「つらい」「ガマンできない」と再びやってくる人がたくさんいます。見ていると、一回、二回と同じ失敗を繰り返し、三回目になってようやく、「これからはきちんと治療を続けよう」と決心される人が多いようです。中断したときに起こった発作が、よほどつらかったのでしょう。「もうあんな思いはしたくない」と、三度目のチャレンジからは皆さん真面目に治療を続けるようになることが多いようです。
 近年、ぜんそくの治療は、起こってしまった発作を鎮めることよりも、いかに発作を起こさないように気道の状態を落ち着かせることができるかに、より重点が置かれています。発作を鎮めることも重要ですが、「発作が起こらないようになること」、これが最も重要なのです。
 残念ながら、現在の医療では、気道の炎症を完全に取り去ることは難しく、発作が起こっているときは発作を抑える処置が優先されます。つまりは、根幹治療よりも対症療法が優先されてしまいます。しかし、ぜんそくは、発作が起こらなくなり、回復しているかに思えるときの治療こそが肝心です。根気よく治療を続ければ、気道の負のサイクルから抜け出すことができ、寛解するチャンスも生まれてくるのです。



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