2018年1月15日
肺気腫、息切れ症候群、逆流性食道炎……合併症で死に至る「ぜんそく」の恐怖-16 佐野靖之 「隠れぜんそく」-01章 発売元 株式会社 幻冬舎より
そのほかには、ぜんそくとまぎらわしい病気で、大量の痰が出る「ブロンコレア(気管支漏)」や肺気腫などの、呼吸が十分にできなくなる症状が出る「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の合併もあります。また、アスピリンぜんそくの患者に多く見られるのが、「鼻茸(はなたけ)」という鼻の粘膜の一部がキノコのような形にふくらんで副鼻腔内に垂れ下がる、鼻ポリープの合併症があります。
また、ぜんそくの患者は、ほかのアレルギー性の病気を併発していることがよくあります。とくに多いのが、花粉症などの「アレルギー性鼻炎」。これは、全体の6~8割の方が併発しています。ぜんそくは、下気道(気道、気管支のこと)の粘膜のアレルギー性炎症によって起こりますが、アレルギー性鼻炎では上気道(鼻腔、咽頭など)の粘膜にアレルギー性炎症が起こります。上気道と下気道はつながっているため、互いに影響を及ぼし合って増悪に作用しているのではないかと考えられています(One-way One-disease)。