2018年1月22日
ポルト観光(70)第4章 滞在2日目 §2 ドン・ルイス一世橋とカフェ・グアラニー 影山喜一
サン・ベント駅アズレージョ
とりあえず料理は、本日のお薦めと茹でタコにビールを頼む。がらんとした部屋に4組のグループがテーブルを囲んでいる。笑い声は時々するけれど、密やかで冷めた感じである。私たちも、軽々しく話に打ち込めない。大昔、ロンドンのレストランでうっかりナイフを落とし、他のテーブル客に睨まれ委縮して以来の緊張が襲う。無性に息苦しくなってどうしたらよいかと頭を抱えた途端、最高のタイミングでピアノが柔らかなバラードを奏で始めた。それまで味はほとんどわからなかったが、どの皿の料理も満足のいくレベルではない。このレストランは多分、音楽を売りとしているのであろう。それを知っているからこそ、ノー・ミュージックの今日は客が少ない。次回(があったとして)は、何が何でも来るのは週末と肝に銘じる。ほろ苦い夜は、こうして静かに幕を閉じた。