2018年2月1日
止まらない咳、軽い息切れが重病のサイン 医師も見逃してしまう「隠れぜんそく」が激増-10 佐野靖之 「隠れぜんそく」-02章 発売元 株式会社 幻冬舎より
咳が続いても「風邪が長引いているだけだ」と思いたい患者さんたち
隠れぜんそくの恐ろしさを知ってもらったところで、まずは気になる症状が隠れぜんそくかどうかを見極めるための、わかりやすい判断材料を一つ伝授したいと思います。
それは、「風邪を引いたときにどんな咳が出ていたか」ということです。
実は、大人になってからかかる成人ぜんそくというのは、「風邪を引いたときに突然ぜんそくを発症する」、あるいは「風邪を引いたときにぜんそくが悪化して、ひどい発作が起こる」ことが圧倒的に多い病気です。まさに、風邪は万病のもと。風邪などのウイルスや細菌の感染症は、ぜんそくの発作を引き起こす、主な誘因の一つです。
「ぜんそくと自覚してはいないけれど、実はぜんそくにかかっている」という隠れぜんそくの人の中には、「風邪が長引いているだけだ」と言い張る人がとても多く見られます。その人たちはたいてい、「咳が出るのは風邪だから」とか「咳がずっと続くのは、風邪が長引いているからだ」と主張します。咳=風邪だと安易に決めつけているのです。