2018年2月1日
ポルト観光(78)第5章 さらばポルト §1 ボリャオン市場と再びマジェスティック・カフェ 影山喜一
ポリャオン市場
ランチョンマットの紡ぐカフェ文化をめぐる空想が空腹感で途切れる頃、ビールとサラダを昨夜、笑顔で応対してくれた女性スタッフが運んできた。サラダときたら、すごいボリュームで二人が必死に頑張っても食べ切れそうもない。冷えたビールにピッタリである。次いでメイン・ディッシュが登場する。金属のボールにポルト名物トリッパが行儀よく収まっている。別の皿にご飯がふんわり盛ってある。両者を合わせると絶妙のハーモニーが醸し出される。そこにグッドタイミングで赤ワインが出て来る。濃い目でざらっとした腰の強い良品といえる。香りより味で勝負と主張する。満腹で目がぐるぐるし始めたところにデザートが姿を現わす。頭を突き抜けるラバダーナの強烈な甘みに腹の重圧感がさっと消える。これを和らげるようにカモミール・ティーが喉を流れる。