2018年2月2日
止まらない咳、軽い息切れが重病のサイン 医師も見逃してしまう「隠れぜんそく」が激増-11 佐野靖之 「隠れぜんそく」-02章 発売元 株式会社 幻冬舎より
咳が続いても「風邪が長引いているだけだ」と思いたい患者さんたち
しかし、咳というものは、風邪を引いたときだけに出るものではなく、さまざまな病気に見られる症状で、ぜんそくの典型的な症状としても、咳が認められています。
咳の症状はさまざまな病気に見られ、コンコンと渇いたような咳からゴホゴホと湿った咳、断続的に続く咳、決まった時間やシチュエーションでひどくなる咳など、さまざまなタイプのものがあります。ぜんそくの一歩手前の段階といえる病気に、「咳ぜんそく」といって咳だけが出続ける症状もあります。その詳細については03の章に譲ることとしますが、まずここで知っておいてもらいたいのは、「咳が長引くようであれば、それは風邪以外の病気の可能性のほうが高い」ということです。
もちろん、咳は風邪の代表的な症状の一つでもあります。風邪の症状とぜんそくの初期や軽い発作のときの症状はよく似ているため、医師ですら間違えることもあります。しかし、風邪を引いて咳が出たとしても、どんなに長くても2~3週間程度で治まるのが普通です。一月か二月、それ以上も咳が続くなどということは、まずあり得ません。さらに、特定の時間帯に咳が出る、決まった状況で咳が出る、息苦しくて眠れない、息が継げなくなるほどの激しい咳き込みが何度も起こるといった場合には、ほぼ百パーセント、それは風邪ではないと断言できます。