2018年2月14日
止まらない咳、軽い息切れが重病のサイン 医師も見逃してしまう「隠れぜんそく」が激増-15 佐野靖之 「隠れぜんそく」-02章 発売元 株式会社 幻冬舎より
こんな症状があったらぜんそくを疑え
さらにぜんそくの症状で、知っておいてもらいたいことがあります。
それは、実はぜんそくという病気は、発作が起きていないときは「なんともない」ということです。
ぜんそくの症状は、発作時と非発作時の差が激しいという特徴を持っています。ぜんそくは、発作が起こったときには、つらくて苦しい思いをします。しかし、発作が起こっていないときは至って普通。仕事も家事も運動もいつもと同じようにできますし、自覚症状はほぼないに等しく、苦しくもなんともないのです。
「ときどきひどい咳が出たり、息が苦しくなることがあるけれど、普段はなんともないから大丈夫なのだろう」
このように考え、病院に行くことすらしないという人は多くいます。それが、ぜんそくの大きな落とし穴です。
「なんともない」と思っているときでも、ぜんそく患者の気道は慢性的なアレルギー性の炎症を起こしています。知らず知らずのうちに誘因にさらされて気道が刺激されると、また突然の発作が起こります。こうしたことが何度も繰り返されているうちに、ぜんそくの症状がどんどん進行していき、悪化してしまうことがあります。「気づいたときにはかなりの重症になっていた……」という事態に陥らないためには、早期発見が肝心です。軽症のうちに治療がスタートできれぼ、それだけ負担も少なくてすみます。