2018年2月15日
ポルト観光(84)第5章 さらばポルト §2 空路でマドリッドへ 影山喜一
バックパックの重量は、10kgを僅かに越えていた。巡礼中に体調を慮って大凡2kg減らしたはずであるが、心当たりがないけれどいつの間にか元に戻ってしまった。マドリッドのホテルに送った分を加えると、更に2kgは少なくとも増える見通しとなる。
オーバーしているわけではないので、バックパックはコンベアーで運ばれる。詰め替えるから戻してくれとは言えない。パスポートと搭乗券のチェックに続いて機内持ち込みの手荷物が調べられる。そこで予期しないトラブルが生じた。トレッキングポールは駄目と告げられる。凶器になる危険性があるという理由である。カバーで包まれて問題ない胸を再三再四説明するが納得してもらえない。挙句の果てに女性スタッフは、「貨物扱いする気がないのなら、そこに置いて行きなさい。私が捨てる。」と吐き捨てた。